広がる「音楽に関わる消費」

 音楽に関わる行動には、CDや楽曲のダウンロードによって「楽曲を聴く」ことだけではなく、オーディオや室内環境など「視聴するための環境を整える」、コンサートや映像などを「観る」「体験する」、雑誌やグッズといった「関連する商品を購入する」等、さまざまなものがあります。今、生活者の皆さまは音楽に関わるどのような活動を行っているのでしょうか。CCCマーケティング総研では、ふだん音楽を聴いている全国の16~69歳のT会員の皆さまに「音楽に関するアンケート」を行い、音楽に関わる行動とそれに伴う消費について調べました。


「コンサート・ライブ・生演奏」に年間で大きな金額を使う人も多い
 音楽を聴く方法として、スマートフォンで聴く、CDをかける、生演奏を聴くなどさまざまな手段があります。それぞれの手段を有料で利用している方を対象に、1年間の利用金額を伺いました(図1)。
 音楽を聴く手段ごとに、利用金額の分布に注目してみましょう。「CD、DVD/Blu-rayの購入」では「3千~5千円未満」が最も多い価格帯となっていますが、「7千~1万円未満」「1万~1万5千円未満」で10%を超えているように、さらに多く使う人も見られます。「音楽配信サービス」は比較的少ない金額から「1万~1万5千円未満」の利用者がほとんどです。「コンサート・ライブ・生演奏(配信含む)」では「1万~1万5千円未満」が最も多く、「2万~3万円未満」が次に多い価格帯となっており、利用金額が大きい方が多数存在するという結果になりました。


<図1>

音楽 楽曲 フェス CD DVD


 「フェス・コンサート」ではチケット代以外の関連消費も大きい
 
それでは、「音楽を聴く」こと以外の「音楽に関連する行動」では、この1年でどのようなことを行っているのでしょうか。購買も伴う行動を中心に尋ねました。
 「音楽を視聴するためのオーディオ類(ヘッドホン・イヤホン含む)を購入した」が30.3%、「アーティストグッズやフェス・公演のオリジナルグッズを購入した」が15.5%の回答となりました。


<図2>

音楽を聴く 音楽を買う アーティストグッズ 推し


 では、それぞれの音楽に関連する行動にどの程度お金をかけているか見ていきましょう。図3では図2で上位となった4つの行動について、1年で使った金額の分布を表しています。
 「音楽を視聴するためのオーディオ類(ヘッドホン・イヤホン含む)を購入」は、「1000円~3000円未満」~「3000円~5000円未満」が多くなっていますが「3万~5万円」まで広く分布しています。「アーティストが掲載された雑誌・書籍・写真集を購入」は「1000円~3000円未満」「3000円~5000円未満」に集中しています。
 「アーティストグッズやフェス・公演のオリジナルグッズを購入」は「7000円~1万円未満」~「1万5千円~2万円未満」の価格帯でそれぞれ10%を超えており、比較的高額の利用者が多い傾向が見られます。「コンサートやライブ用に洋服や小物類を購入」は「3000円~5000円未満」~「1万5千円~2万円未満」の方が多く見られます。コンサートやフェスではチケット代以外に関連する消費が生まれているようです。

<図3>


ライブチケット フェス イベント 音楽 楽器

アーティストグッズに求められることも多様に
 この中で比較的高い金額を費やすことがわかった「アーティストグッズやフェス・公演のオリジナルグッズ」について、その購入理由を見ていくと「そのアーティストが好きだから」(92.1%)はもちろん、「コンサートやフェス・公演の記念としたいから」(49.3%)、「コンサートやフェス・公演の会場で身につけたり持ちたいから」(41.4%)が高くなりました(図4)。やはり「グッズ購入」はコンサートやフェスに関連して消費が動くことがわかります。
 一方で「デザインや機能が良かったから」(24.0%)、「フェス・公演のタイミングに関わらず日常的に使えるものを探していたから」(11.9%)も挙げられており、グッズは記念だけではない、機能面や日常使いの要望もあるということがわかりました。

<図4>

アーティスト バンド 夏フェス 音楽 ライブ
 音楽を聴くためのCD購入や楽曲ダウンロードから、アーティストに関わるグッズや書籍の購入など、音楽に関わる消費活動は広く行われています。今回の調査からはコンサートやフェスの利用金額が大きく、関連する消費も生まれていることがわかりましたが、自らがその場に参加し盛り上がる、という特別な体験ができる「コンサートやフェス」にお金をかけることは、今の時代に合ったものと言えるかもしれません。




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【調査概要】
調査地域:全国
調査対象者:普段音楽を聴いている男女16~69歳のT会員(事前調査にて対象者を抽出)
有効回答数:2,443サンプル
調査期間 :2023年3月22日(水)~2023年3月28日(火)

実査機関:CCCMKホールディングス株式会社
調査方法:インターネット調査(Tリサーチ)
 
本調査の集計表を販売しております。
詳しくは、下記をご確認の上、お問い合わせください。
 
【調査内容】
質問数:全12問
<質問項目(9問)>
・よく聴く音楽ジャンル(複数回答)/最もよく聴く音楽ジャンル(単数回答)
・音楽を聴くために利用している方法(無料で利用/有料で利用/有料・無料に関わらず最も利用しているもの)
・(方法別)1年で音楽を聴くために支払う金額
・音楽を聴く時間帯(平日/休日)
・1日で音楽を聴く時間数(平日/休日)
・この1年で音楽に関連することで行ったこと(複数回答)
・アーティストグッズやフェス・公演のオリジナルグッズで購入したもの(複数回答)
・アーティストグッズやフェス・公演のオリジナルグッズを購入した理由(複数回答)
・(行動別)この1年の音楽に関連する行動に支払った金額


<属性項目(3問)>
性別/年代、同居家族、職業

【集計内容】
・単純集計

・性年代別クロス集計

【注意事項】
・対象者を抽出するための事前調査は日本の性年代人口構成比に近い形で回収を行っています。
・クロス集計において、集計対象数が極端に少なくなる質問は出力していません。


【商品名/番号】
品名:「音楽に関する調査」(2023年3月)
番号:23-001-002

【価格】
集計一式:12,000円(税別)

             
                                                                          


【お問合せ先】
CCCマーケティング総合研究所 
担当:杉浦
[email protected]

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